【むかご】と聞いてもピンと来ない方も沢山いらっしゃると思います。
むかごとは、長芋や大和芋、自然薯などの山芋の、ツルや葉の付け根にできる球状の肉芽(にくが)の事を言います。
むかごは、直径1cm程の球状になっていて、大きいものだと3cm程になるものもあります。
むかごは地域によっては、道の駅やスーパなどで、旬の時期になると見かける事ができますが、収穫量が多くないので、都会では市場でお目に掛かる事が難しい山の恵みです。
むかごって何科の植物?
むかごは、ヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性多年草という植物の、葉の付け根にできる球状の肉芽の事をいいます。
他にも、山野に咲くオニユリ等の植物もむかごを付けますが、一般的にむかごと呼ぶのは食用になる山芋類の肉芽の事を言います。
むかごの生えている場所は?
山芋類のむかごは、北海道の南西部から本州、四国、九州、沖縄に広く分布しています。
むかごは、里山の林道沿いや林縁などに自生し、やや湿った土壌を好みます。
むかごの旬の時期っていつ?
むかごの旬の時期は、地域やその年の天候などによって左右される事がありますが、山芋の収穫時期とほぼ同じ頃です。
目安としては、山芋のツルや葉が黄褐色になり始め、むかごを指で軽く触ったらポロポロと採れる頃が熟れている状態と言えます。
取れ始め
むかごが収穫できるようになるのは、は9月頃から始まります。
完熟期
むかごは、10月から11月に掛けて完熟の時期を迎えます。
むかごの選び方
むかごは、手で触ってポロポロと落ちてくるものが、完熟しています。
完熟しているものは、風味も栄養価も高いので熟れているものを採りましょう。
逆に、青いむかごも食べる事ができますが、青臭さがのこります。
道の駅や、スーパなどの市場に出回っているものは、表面にシワやゴツゴツ感がなく、ふっくらと張りのある物を選ぶ様にしましょう。
また、粒ぞろいの良い物を選ぶと、調理をする際に火が均一に入るので、ムラができません。
むかごの主な栄養は?
むかごは、古くから山のウナギとも言われ滋養強壮に良いとされています。
- アルギニン … 成長ホルモンの分泌を促し、免疫力の向上や、筋肉組織の増強、血流改善に効果が期待できる
- 葉 酸 … 造血効果があり、貧血や動脈硬化の予防や、脳の機能を改善する効果が期待できる
- パントテン酸 … エネルギーの代謝を助け、抗ストレス効果や、肌と髪の健康を保つ効果が期待できる
- ミネラル … 体の組織をつくるり、身体の働きを維持したり、調節する働きを持っている
- 食物繊維 … 腸内環境を整え、コレステロール値を抑えたり、肥満を予防する効果が期待できる
むかご注意点
山芋の類いの、長いもや自然薯などはむかごを付けますが、そのほとんどが食用にできます。
しかし、長いもや自然薯と同じヤマノイモ科の多年生つる草の仲間でも、「ニガカシュウ」という、毒性を持つむかごもあるので注意が必用です。
見た目は、山芋や自然薯のむかごよりもゴツゴツしていて、名前の中にもありますが「苦い!」ので食べられません。
まとめ
むかごとは、山芋や自然薯の葉の付け根にできる球体の肉芽の事を言います。
むかごは漢字で書くと【零余子】と書き、その意味は「わずかな余り」と、とても極少量の事を言うのだそうです。
それくらい、むかごは中々手に入らない希少な山の恵みなのです。
むかごは、地方によっては郷土料理にも使われ、古くから食べられてきましたが、市場ではあまり見かける事ができません。
しかし最近では、田舎の道の駅やスーパーなどで旬の時期になると、時々販売されていたりします。
また、自然薯などの人工栽培も行われるようになってからは、通販などでむかごを手に入れる事が出来るようになりました。
むかごが手に入ったら、むかごご飯や甘辛煮など美味しい食べ方が沢山あるのでチャレンジしてみるのも良いですね。