【アケビ】とは、秋になると紫色の実を付ける、つる性の落葉性の低木のことを言い、秋になると、長さが10㎝位の、細い楕円形をした実をつけます。
アケビは、漢字で書くと「木通」「通草」「山女」「丁翁」「赤実」…などと、沢山の漢字表記があります。
アケビは古くから、つるを「木通」と呼び、消炎、沈痛、解熱、利尿作用がある生薬として用いて来ました。
アケビは、実が熟して割れると、中の果肉が甘く完熟した証となります。
アケビの果肉は、そのまま食べてほんのりした甘みを味わうのも良いですし、凍らせてシャーベットにして食べても美味しい果物です。
また、アケビの果肉を、35°の焼酎に漬け込むと、「アケビ酒」ができます。
果皮は苦みが強く、炒め物や肉詰めにしておかずとして頂きます。
アケビは近頃、通販などでも取り扱われるようになってきましたが、実は商品として栽培されるようにったのは、最近になってからの事なのです。
この記事では、アケビについて徹底解説していきます。
アケビって何科の植物?
【アケビ】は、アケビ科の蔓性落葉低木の一種で、アケビ属に属する植物の総称でもあります。
アケビには、いくつかの種類がありますが、日本の山野では、「アケビ」「ミツバアケビ」「ゴヨウアケビ」の種類が、自生しています。
アケビの新芽は、山菜として食され、果実の皮は炒め物や、地域によっては、漬物などにして食されています。
アケビの生えている場所は?
【アケビ】は、日本では、本州・四国・九州に分布しています。
日当たりの悪くない山野に自生し、樹木などに、つるが巻き付いて生育します。
アケビの新芽を食すのは、主に日本海側に自生しているミツバアケビの新芽を食します。
アケビの旬の時期っていつ?
【アケビ】の旬の時期は、地方によっても差がありますが、秋の果物が美味しい季節に旬を迎えます。
暖かい地方
8月終わり~9月末頃まで
寒い地方
9月半ば~10月半ば頃まで
新芽を頂く場合の旬
アケビの新芽を山菜として頂く場合の旬の時期は、4月~6月頃
アケビの選び方
【アケビ】は、果実の色が、綺麗な淡紫~紫色をしていて、皮に張りがあって、ふっくらとしたものを選びましょう。
白アケビ(バナナアケビ)はクリーム色になったら食べ頃です。
アケビは、果皮が少し割れたものは完熟しているサインです。
皮に傷が無く、持ったときに弾力があるものの方が美味しいですよ。
果皮が割れたアケビは、中のセリー状の果肉が、乾燥していないかを確認します。
アケビの主な栄養は?
- ビタミンC … コラーゲンの生成を助けて美肌効果や、抗酸化作用があるので、生活習慣病予防にも効果が期待ができます。
- 葉酸 … 赤血球の生産を助け、動脈硬化や心筋梗塞の原因にもなる血中のホモシステイン濃度を低下させる働きがあります。
- カリウム … 腎臓における老廃物や、ナトリウムの排泄を促して血圧を下げ、筋肉の収縮を円滑にする働きを持っています。
- 食物繊維 … 腸内環境を整え、コレステロールを排出する効果が期待できます。
アケビと良く似た植物
【アケビ】と良く似たものに「ムベ」という植物があります。
このムベは、アケビの南方系品種という事らしいのですが、アケビは滑らかな楕円形なのに対して、ムベは、アケビをもう少しゴツゴツとさせた様な形です。
また、ムベの色はアケビの紫色よりも、もう少し赤身が強い紫色をしてます。
そして、ムベは熟しても、果皮にはアケビのような割れ目が入りません。
ムベは、アケビと同じアケビ科の植物ですが、味も舌触りもちがいます。
ですが、どちらも山に自生し、秋には果実が熟すと、美味しい山の果物です。
まとめ
日本の山野で自生しているアケビは三種類ですが、最近では、栽培用に品種改良された苗なども、手軽に通販で手にすることが出来るようになりました。
アケビは、アクが強いので、すぐに茶褐色に変色してしまい、長期保存は難しいのですが、果肉を冷凍するとシャーベットの様な味わいを楽しむ事ができます。
この場合は、冷凍するので数日間は保存は可能ですが、あまり長い時間、冷凍庫に入れておくと、風味も食感も落ちてしまいます。
アケビは、つるを生薬として用い、新芽を山菜として、果実の中の果肉はフルーツとして、果皮を炒め物や、漬物として余す所なく美味しく食べられる山の恵みですね。